偽日記(12)2018年7月19日(木)『THIS IS US 36歳、これから』エピソード16、この世と宇宙の不思議をシンプルな言葉で

2018年7月19日(木)

昨日と変わらぬ暑さ。

夜Yシャツにアイロンをかけながら『THIS IS US 36歳、これから』のエピソード16を観る。ランダルが死期が迫ったウィリアムと一緒に彼の生まれ故郷であるメンフィスに旅し、そこで彼を看取る。

 ランダルはケヴィン、ケイトと一緒に「三つ子」としてジャックとレベッカの愛情を存分に受けて育ち、社会的な成功をおさめ温かな家庭を築いているが、一方で子供の頃から養子という出自に悩み、アフリカ系として白人優位の社会の中で生きていくことに常にプレッシャーを感じてきた。生きづらさを抱えたランダルが、自分を捨てた実の父親であるウィリアムを見つけ、彼の人生を受け入れて行くことがこのドラマの一つの大きな軸になっていたのだが、それが一つの区切りを迎えた。

ウィリアムが裕福でなくても柔らかく温かい母親の愛情に包まれて幸せに育ったこと、そしてその繊細さ優しさゆえに道を外してしまうほろ苦さを丁寧に描いていたのも良かったし、死を前に怯えるウィリアムをジャックのやり方で優しく落ち着かせるところも感動的だった、いいシーンは多いが、自分が敢えて一つ選ぶとするとウィリアムが子供時代に住んでいた家を訪ねて暖炉に隠してあった宝物を手に取るところか。

おもちゃと25セント硬貨3枚
昔ここに隠した
それが今でもここにちゃんとある
すごくないか?
世界がこんなふうに機能するのは不思議だ

人がこの世で生きること、時間、宇宙の不思議さをウィリアムがシンプルな自分の言葉で語ったのがすごく良かったのだ。

 

偽日記(11)2018年7月18日(水)『THIS IS US』エピソード15の余韻、Sam Cooke「Bring It On Home To Me」を久々に聴く

2018年7月18日(水)

まったく気温下がらず。

昨日の夜見た『THIS IS US 36歳、これから』のエピソード15は本当にいい話だった。

ケヴィンがわだかまりがある義理の父ミゲルとの会話の後でランダルに取った行動に思わず涙。このドラマを勧めてくれたHoriiさんが、キツい描写のない真っ直ぐなヒューマンドラマで自分がこれほど感動するとは思わなかったと言っていたけど本当にそうだなと。アメリカも日本も人と人との関係でマウントを取り合うような雰囲気が充満しているから余計にこのドラマで描かれる他者への優しさや寛容さがしみるのかもしれない。

このエピソードでレベッカが自分のバンドでSam Cookeの「Bring It On Home To Me」を歌っていて、久しぶりに聴きかえす。単なる懐メロにならない、いつの時代誰が聴いてもいい曲。


Sam Cooke - Bring It On Home to Me (Audio)

 

偽日記(10)2018年7月17日(火)『幻のハワイアン』とレゲエのええ歌「Precious Morning」

2018年7月17日(火)

猛烈な暑さ続く。今日も気温は37度くらい。スモックが発生したのか空気の汚れが気になる。

今日から職場の環境に変化があり夏以降の仕事の進め方に若干懸念を感じる。

車で移動中、ipodを聴いていると古いハワイアンが流れて何ともゆるーい気分に。10年以上前に買った日本の戦前のハワイアンを集めたアルバム『幻のハワイアン』に入っていたRay King And His Hawaiiansの「My Tane」という曲。SPレコードからの復刻でシャリシャリした音がまた気持ちいい。

 

幻のハワイアン

幻のハワイアン

 

後、Justin Hinds & The Dominoesの「Precious Morning」。70年代のアルバム2枚を収録した『Jezebel+Just In Time』に収録されている曲でチャキチャキした小気味のいいドラムの刻みにいい感じのベースライン、温かくて味のあるヴォーカルが乗る少しロックステディの特徴を残したいい曲。酷暑の中、元気をもらった。


Justin Hinds & The Dominoes - Precious Morning

偽日記(10)2018年7月16日(月)海洋版『八甲田山』、不幸系エンターテイメントの傑作ドラマ『ザ・テラー』を観る

2018年7月16日(月) 海の日。

10時頃起きる。昨日と変わらず死ぬほど暑い。外に出る気力もなくAmazonプライムでドラマ『ザ・テラー』を一気に観る。


The Terror Trailer Season 1 (2018) New amc Series

このドラマは19世紀半ばに北極圏を通る新航路「北西航路」開拓のために派遣され、129人の隊員全員が行方不明になったイギリスのフランクリン遠征隊の遭難を題材にしたサバイバルホラーで、極寒の北極海の氷に閉じ込められた遠征隊の2隻の軍艦、テラー号とエレバス号の隊員たちが恐怖と絶望の中で一人また一人と命を落としていく様子を10話をかけてたっぷり描いていく。

時代劇研究家の春日太一が同じ極寒の中での遭難を扱った映画『八甲田山』を人がどんどん不幸になって死んでいく「不幸エンターテイメント」の傑作と評していたが、この『ザ・テラー』もまさにその称号がふさわしい作品。

ただ『八甲田山』と異なるのは彼らが極地での越冬に耐えうる十分な食料と装備を持ち、自然へのリスペクトを欠いていたわけでもないのに、当人たちのどうしようもないところで不幸が進行する(していた)ところ。局面、局面でそれなりに合理性を持った判断をする分、悲劇的な結末は先送りになって、最後は全てが白い地平線にすーっと消えていく。気が付いたら「彼岸」まで連れていかれた感じだった。残酷で澄んでいて美しい、地獄ってこんな感じか。

 

偽日記(9)2018年7月15日(日)京都、20年という時間、愛媛FCvsヴォルティス戦

2018年7月15日(日)

10時頃起床。午前中はネットサーフィンと家事、昼から髪を切りに京都の美容院へ。京都は体温より気温の方が高い感じで息をするのもしんどい暑さ。最寄りの駅から汗だくになって歩いた。

お世話になってる美容師さんの娘さんが今度高校受験ということを聞いて、ついこないだまで小学校の制服でお店に顔を出してりしてたのにとびっくりするが、よく考えてみると学生時代から20年ここに通っているわけで、そりゃみんな年取りますよね、ええもうそんななるかあ結構な時間やで20年てと二人で笑った。いろいろあったけどお互い生きてるよなあというなんかほっとした空気。

美容院を出た後、FARM HOUSEに寄って小西さんに新しく入った服を見せてもらいながらあれこれ話す。京都に引っ越す可能性が出てきたので住むとしたらどの辺がいいだろうかという話になり、小西さんによると最近外から越してきた人はのんびりした上賀茂か北白川あたりかお店で飲んで歩いて帰れる四条と五条の間を選ぶ人が多いとのこと。俺はどちらかというと上の方がいいかなあ。デッドストックの生地を使った半袖のシャツが気に入ったので購入。肌触りがすごく良かった。10月ぐらいまでは着れそう。

その後バスで三条河原町へ。立ち飲み屋で一杯飲んで帰ろうと思ったが、何となく腹の具合が気になってパス。結果的に正解で先斗町を下っているうちにもよおしてきて、汗で服が体にへばりつく不快感と腹痛に耐えながら阪急の四条河原町を目指して足早に歩く。途中、浴衣姿で自撮りしている女の子がやたら多く、そういや今日祇園祭だったとと後で気付いた。

大阪に帰ってからヴォルティス愛媛FCのアウェイでの試合をDAZNで見る。FWにブエノを先発起用。試合は終始ウチが主導権を握っていた。小西も良かったし井筒も良かった。岩尾も最終ラインからの組み立てに関わったかと思えば前線でワンツーで抜け出してシュートを打ったりと自分の裁量でのびのびプレーしていた。チーム全体でかなりシュートも打ったし決定的なものも2,3本はあった。それでも結局相手のスーパーなシュート1本に沈んでしまった。現地の人は相当やりきれなかったと思う。

FWとしてのブエノの先発起用はどうだったのか。確かに動きはかなりこなれてきていてかなり惜しいシュートもアシスト未遂もあったが、まずは本職の佐藤で手堅く前半を乗り切って状況を見極めながらの投入でもよかったのでは。天皇杯でも出番がなかった薗田はどうなっているのか。シシーニョのプレーは犬が自分の尻尾を追い回しているみたいに空回りすることがあるが、一回外す気はないのか。交代枠を余らせたのは?結局田舎のチームが求心力を維持するためには昇格を狙える位置に居続けることが大事で、そのためには意地でも勝ち点が欲しい。来年さらに主力を抜かれたらと思うと暗い気持ちになった。

 

 

偽日記(8)2018年7月14日(土)貧乏人の贅沢品Amazon Fire TV、『ナイトマネジャー』で国柄について考える

2018年7月13日(土)

晴れ。息をするのもしんどくなる暑さ。

9時頃起床。Amazonから Fire TV Stickが届く。Amazonプライムビデオ、NetflixDAZNYouTubeその他いろいろTVの大画面で見ることができる。貧乏人にとっては最高の贅沢。

ということで早速Fire TVでドラマ『ナイトマネジャー』を一気に最後まで見る。

このドラマ、ストーリーやキャラクターが魅力的なのは言うまでもないが、個人的に面白いと思ったのはイギリスという国の立ち回り方。第2次世界大戦後、イギリスは覇権国家としての地位をアメリカに完全に譲り渡している。現在も国際社会の中で一目置かれる存在であるが、テロや紛争など国をまたいだ安全保障上の危機に一国で対処する力はもう無い。

主人公ジョナサンの元締めである007で有名な情報機関MI6もミッションを遂行するために現場の個人的な信頼関係でCIAから予算を引っ張ってこないといけないし、国外の違法な武器の取引を差し押さえるためにはアメリカ軍に頼らざるを得ない。その武器の情報が実はガセネタで、アメリカ軍のメンツをつぶしてしまったと嘆くMI6の現場責任者の姿は、普段からアメリカに忖度や遠慮を抱えて暮らしている日本人としては妙に親近感が湧いてしまった。ただ劇中の彼らは自国の立ち位置、出来ることと出来ないことに極めて冷静に認識していて、自前の情報力とアイディアでしたたかにアメリカを利用している。老獪。シン・ゴジラの日本政府の健気さというか一生懸命さを思い出し、国柄ってあるよなあと思う。

偽日記(7)2018年7月13日(金)仕事で気分のいい1日、ドラマ『ナイト・マネジャー』を見始める

2018年7月13日(金)

朝からとんでもなく暑い。

以前から仕込んでいた案件がようやく正式発注になったり、出会い頭に注文をもらったり、溜まっていた事務仕事も片付いたりと何かと気分のいい1日だった。そのまま家に帰るのがもったいなく、お初天神の立ち飲み「じんべえ」に立ち寄り一杯。気持ちよく酔う。

帰宅後、AmazonプライムでHoriiさんに勧められたジョン・ル・カレ原作のスパイドラマ『ナイト・マネジャー』を観る。『トゥルーディテクティブ』や『マクマフィア』に比べると序盤の話の進め方に粗さを感じるが、それでもクオリティは高い。第3話まで一気に観てしまった。


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