偽日記(10)2018年7月16日(月)海洋版『八甲田山』、不幸系エンターテイメントの傑作ドラマ『ザ・テラー』を観る

2018年7月16日(月) 海の日。

10時頃起きる。昨日と変わらず死ぬほど暑い。外に出る気力もなくAmazonプライムでドラマ『ザ・テラー』を一気に観る。


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このドラマは19世紀半ばに北極圏を通る新航路「北西航路」開拓のために派遣され、129人の隊員全員が行方不明になったイギリスのフランクリン遠征隊の遭難を題材にしたサバイバルホラーで、極寒の北極海の氷に閉じ込められた遠征隊の2隻の軍艦、テラー号とエレバス号の隊員たちが恐怖と絶望の中で一人また一人と命を落としていく様子を10話をかけてたっぷり描いていく。

時代劇研究家の春日太一が同じ極寒の中での遭難を扱った映画『八甲田山』を人がどんどん不幸になって死んでいく「不幸エンターテイメント」の傑作と評していたが、この『ザ・テラー』もまさにその称号がふさわしい作品。

ただ『八甲田山』と異なるのは彼らが極地での越冬に耐えうる十分な食料と装備を持ち、自然へのリスペクトを欠いていたわけでもないのに、当人たちのどうしようもないところで不幸が進行する(していた)ところ。局面、局面でそれなりに合理性を持った判断をする分、悲劇的な結末は先送りになって、最後は全てが白い地平線にすーっと消えていく。気が付いたら「彼岸」まで連れていかれた感じだった。残酷で澄んでいて美しい、地獄ってこんな感じか。